突然ですが、テレポーテーションと言えば、物質の瞬間移動を思い浮かべますよね?

SFやファンタジーの世界で、人間や物が瞬時にして別のところへ移動するアレです。

もしあのテレポーテーションが可能になれば、どんな風に生活が変わるのか…想像すると楽しいですよね(^-^)

現実世界ではとても実現しそうにない物質のテレポーテーションですが、実は実験に成功していたのをご存知でしょうか?

ただし、テレポーテーションと言っても、先ほど思い浮かべた人間や物などの物質ではなく「量子」なんです。

今回はこの量子テレポーテーションについて、とても夢のあるお話をご紹介します。

  1. 量子テレポーテーションとは?
  2. 量子テレポーテーションの原理は?
  3. 応用すると何ができる?
  4. 実験は進んでいる?実用化は可能か?

ゲームや映画の世界ではなく、現実に成功したテレポーテーション。
今の科学の進歩に、びっくりすること間違いなしですよ(^-^)

量子テレポーテーションとは?

テレポーテーションと言えば、人間や物の瞬間移動!
そのように思うのは僕だけではないですよね?

遠く離れたある場所から、全く別の場所へ一瞬で移動するSFファンタジーのような現象です。

科学が進歩しまくって、何百年も先の未来だともしかしたら実現するかもしれないですね。
少なくとも、僕が生きている間には実現することはないでしょうね。
残念です(^_^;)

しかし、現代の学者の方達はすごいんですよ。
何と、テレポーテーションを成功させたって言うんですΣ(・□・;)

信じられないですよね(@_@)
そんなこと成功していたのなら、もっと大ニュースになってもいい気がしませんか?

僕は最近まで全然知らなかったです(^_^;)
と言うのも、実験成功したテレポーテーション。

それは、僕がパッと思い浮かべた人間や物などの物質ではなく、量子だったんです。

量子力学の分野では、実は結構前から量子テレポーテーションは理論上証明されていたんですね。
それはアインシュタインの時代まで遡るくらい以前からだったんです(^_^;)

その量子テレポーテーションですが、聞いただけだと何のことだかサッパリですよね。

そのままズバリ、量子をテレポーテーションさせた…と言うことなのですが、そもそも量子って何?

僕はそんなレベルでしたので、理解するのにとても時間がかかりました。
分かりやすく説明していきますね!

まず、量子っていうのは想像通り、とても小さな単位であったり、物質です。

原子や分子は理科の授業で聞いたことありますよね?
その他、光子や電子など、それらをひっくるめて量子と言います。

その量子を、A地点から遠く離れたB地点に瞬間移動させたのが量子テレポーテーションです。

量子自体がとてもとても小さな物質なので、物質と言っても当然目に見えません。
なので、人間や物を移動させると言うのとはだいぶ違うんですね。

それでも、瞬間移動させたのですから、スゴイのはスゴイと思いませんか?
一体どうやってやったのか不思議でなりませんよね(@_@)

実験に成功したということは、偶然ではない何か確実な原理があるはずですよね。

続いては、量子テレポーテーションの原理についてご説明します。

量子テレポーテーションの原理は?

量子テレポーテーションはその名の通り、量子をテレポーテーションさせることでしたよね。
目には見えない量子であっても、どんな方法で瞬間移動させたのか不思議ですよね。

ここでは、量子テレポーテーションの原理についてご説明します。

まずはこちらの「量子テレポーテーション成功動画」をご覧ください。

 

テレポーテーションさせる量子について少々補足します。

量子って、原子や分子みたいな物質を作る小さな小さな単位だと先ほどご説明しました。

その量子ってとても不思議なモノで、普通に生活している僕達の考え方だと常軌を逸した存在なんです。
どう常軌を逸しているかと言うと…それを研究解明するのが量子力学なんですって。

では、その常軌の逸しぶりの入り口として、ひとつの例をご紹介しますね。

Aという量子があったとします。
その量子Aを使って、実験をします。
すると、aという結果が出ました。

これを、どうして結果aになったんだろう?と、今度は観測しながら全く同じ実験をします。
すると、全く違う結果になった。

その結果をbとしますね。
結果aだったのが、観測することで結果bになった。

これが量子のクレイジーなところなんです!

何のことかサッパリ分かりませんよね(^_^;)

つまり、量子は観測されることで結果を変えるんです。

ここ重要です。

厳密にいうと、観測する=光が量子に触れる=量子がそれに反応する…ってことらしいですが。

 

何だかクレイジーなのは変わりないですよね。
しかし、このクレイジーなところが量子のスゴイところなんです。

もうひとつ、その例をご説明させてください。

ひとつの量子Bがあります。
この量子Bを分裂させ、BとB´に分けます。

この状態をここでは「もつれ合った」と表現しますね。
このもつれ合ったペアを遠く遠く、引き離します。

そして、Bの方を観測したとします。

 

すると、先ほどご紹介したみたいに、量子Bは観測された!って気づいて反応するんですね。
するとあら不思議!

観測されていないB´の方まで反応するんです(@_@)
それも、時間差なく全く同じ瞬間に、です。

 

これが量子テレポーテーションの原理です。
大丈夫ですか?

今までの価値観だとよく分からないことが起こるのが量子なんですね。

さらに、量子のこのヘンテコな原理を利用してテレポーテーションをさせるにはどのようにするのでしょうか?

それはまた、ややこしくて理解不能な現象なんです。
できるだけ簡単に説明しますね!

 

まず、主役となる量子です。
これを量子Cとします。

この量子Cは、先ほどの例にあった、もつれ合った状態です。

遠く離れたところに、C´があります。
量子Cは、C´にXを伝えたいとします。

そのために観測するんですね。

 

観測すると、量子は反応して変化するんでしたよね。

すると、CはC´とのもつれ合いを解消し、Xともつれ合います。
そして、Xともつれ合ったCは、一般的な通信方法でC´に観測結果を知らせます。

C´はその観測結果に応じた処置をすると、Xに変化するんです。
そして元となるCはと言うと、Xと絡み合った結果、消えてしまうんですね。

CがXになり、通常の通信手段で観測結果を知らせるだけで、遠く離れたC´がXになる。

つまり、物質の移動(ここではXの移動)はしていないのです。

これらは通信以外は瞬時に行われ、どんなに離れていてもタイムログはないとされます。
100mだろうと、100kmだろうと。

しかし、本当の意味で一瞬ではありません。
観測結果を知らせるために、通常の通信手段を使う必要があるためです。
この工程を除けば、瞬時なんですね。

これが、量子テレポーテーションです。

テレポーテーションと聞くと物質の移動を思い浮かべますが、実際には違うんですね。

 

量子の性質を利用して、遠く離れた量子を反応させた…と言えば分かりやすいでしょうか。

量子テレポーテーションとは、こういうことだったんですね。

思っていたのとは違ったテレポーテーションですが、よくこんなこと発見したなぁと驚くことしかできないのは変わりないです。

やっぱり、スゴイですよね。
単純にスゴイとしか言えません(+o+)

でも、確かにスゴイこの量子テレポーテーションですが、どんなことに役立つのでしょうか?
続いては、量子テレポーテーションの応用についてご紹介します。

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応用すると何ができる?

片方の量子を観測し、その結果をもう一方の量子に連絡をして、適した処置をすることで同じに変化させる。

一見すると何のことやらサッパリですが、量子テレポーテーションを簡単に説明すると、だいたいこんな感じでしたね。

そしてこの一連の流れが、通信連絡以外は距離に関係なく瞬時にできてしまうのでした。

 

この量子テレポーテーションの現象を応用すると、どのようなことが出来るのでしょうか?

テレポーテーションと聞くと一般的に思い浮かべる、もっと大きな物体を瞬間移動できるようになるのでしょうか?

夢が広がりますよね(@_@)…と、どうしても物体の瞬間移動に思いが飛躍してしまうのですが(^_^;)

それにはまだまだ時が必要なようです。
実際には、インターネットや暗号通信、コンピューターなどの情報通信処理の発展に役立ちそうなんです。
ザ・ITって感じですね(+o+)

量子テレポーテーションは、いわば超高速で情報を遠方に伝えられるわけですから、納得です。
ここ数十年で飛躍的に進化した情報処理の世界が、これからさらに飛躍するかもしれないんですね。

 

もう実験は進んでいるのでしょうか?

僕達の生活に密着した分野なので、実用化が待たれますよね(^-^)
次は、そんな量子テレポーテーションの原理を利用した、これら情報通信処理の今をご紹介します。

実験は進んでいる?実用化は可能か?

とっても不思議な量子テレポーテーション。
その原理を応用し、情報通信処理の分野では世界中で検証や実験が行われています。

量子力学の世界はまだまだ解明されていない部分も多いので、伸びしろがたくさんあるんですね。
そんな世界中の研究者たちが切磋琢磨している研究をいくつかご紹介しましょう!

まずは量子コンピューターについて。

これはそのまま、量子の力を使ったコンピューターです。

普通のコンピューターと違うところは、何だと思いますか?

それは、量子を使ったところです。
…って、これじゃ説明にならないですよね(^_^;)

すみません。

 

量子って、観測すると結果が出ましたよね?
それも、瞬時に。

量子のこの性質を利用すると、今までのコンピューターよりも格段に計算スピードが上がるんです。
今あるコンピューターだって、人間の頭に比べたら断然スゴイのですが、さらにそれを上回るんですね。

しかし、量子コンピューターには弱点もあります。

それは、万能ではないと言うこと。

今あるパソコンって、何でもできる魔法の箱(もしくはノート)ですよね。
一台あれば、いろんなことができちゃう。

でも、量子コンピューターは専門の分野しかできないんです。

 

先ほど説明した計算や、与えられた条件の中で一番いい答えを選ぶ最適化問題なんかが得意なんです。
そういった分野のエキスパートとして、期待できるんですね。

そして、この量子コンピューターは実はもう実現していて、販売もされているんです(@_@)

誰でも一度は聞いたことがある、あのGoogleとNASA。
この両者が共同で、量子コンピューターで最適化問題の研究をしたんです。

その結果、従来のコンピューターよりも1億倍の速度で解決できたという事です。
1億倍って、もう何が何やら分からないですが、とにかく早いことは分かりますね。

そして、今後、ロケットの打ち上げなど宇宙関係のややこしいシミュレーションに活用できるかもしれない、と結論付けたのです。

 

もうひとつご紹介しましょう。
それは、日本とドイツの大学の共同研究です。

その研究内容は量子テレポーテーションの原理を応用した、通信ネットワークについてです。

長距離の量子テレポーテーションは、理論上は可能でも、これまでは実現が難しかったんですね。

 

しかし、量子テレポーテーションの原理を転写することにチームは成功したんです。

これってつまり、実用化が難しかった長距離での通信が可能となるんです!
しかも、盗聴不可能というオマケつき(^-^)

理論上だけでなく、実験で実際に成功させたのですから、実現が一気に近くなったと思いませんか?

安心安全で安定した通信は、これからの僕達の生活に必要不可欠ですよね(*^-^*)
量子テレポーテーションって、実はこんなにも多岐に渡るカタチでいろんなことに役立つんですね!
ちょっと想像つきませんでした。

そして、まだまだ研究の余地が多い分野ですが、徐々に実用されているんですね。

今はまだ聞きなれない量子テレポーテーションですが、いつか当たり前のように使う言葉になるかもしれませんね(@_@)

それでは、ここまでのお話を一度まとめていきましょう。

量子テレポーテーション~まとめ~

量子テレポーテーションと言う、聞きなれない不思議な現象。
理解するのがだいぶ難しいですよね(^_^;)

ここまでのお話を、出来るだけ簡単に整理してみましょう。

量子テレポーテーションとは?

  • 人間や物の瞬間移動ではない。
  • 量子テレポーテーションとは、原子や分子など、目に見えない量子をテレポーテーションさせることである。

量子テレポーテーションの原理は?

  • 量子は観測すると結果を変える。
  • 分裂させた量子(もつれ合った状態)の片方を観測して反応させると、もう片方も反応する。
  • それは瞬時に行われる。
  • その原理を利用したものが量子テレポーテーションである。
  • もつれ合った状態の量子の片方に情報を送るために、送信元の量子を観測する。
  • 観測結果を通常の通信手段で送信先の量子へ知らせる。
  • 送信先の量子は送らてきた観測結果に応じた処置をすると、情報を受け取ることが出来る。
  • 送信元の量子は、情報ともつれ合うことで消失する。
  • 量子の反応は瞬時だが、観測結果を知らせる通信手段が通常の方法なので、本当の意味では瞬時では移動できない。

応用すると何ができる?

  • 大きな物体の瞬間移動はできない。
  • インターネットや暗号通信、コンピューターなどの情報通信処理の発展に繋がる。

実験は進んでいる?実用化は可能か?

  • 量子コンピューターは、実際に販売されている。
  • 従来型のコンピューターとは違い、計算や最適化問題などの専門分野に特化している。
  • GoogleとNASAが量子コンピューターを使って実験をしており、最適化問題の解決で従来型よりも良い結果を出している。
  • 日本とドイツの大学が共同で量子テレポーテーションの原理を転写することに成功している。
  • これにより、実用が難しかった長距離で安心安全な通信が可能となる。

いかがでしたか?

量子テレポーテーションって、理解するのがとっても難しいですよね(^_^;)
でも、とっても面白いと思いませんか?

小さな小さな量子のテレポーテーションが、結果として僕達の暮らしに密着した通信網や、宇宙開発にまで役立つかもしれないなんて、ロマンがありますよね。

思い浮かべるテレポーテーションとは違いましたが、こんなテレポーテーションもアリですよね!

まだまだ未知数な部分の多い量子力学です。
もしかしたら、この原理を利用してもっと大きなものをテレポーテーション出来るようになるかもしれませんよね(>_<)

さらなる発展に期待しましょう!