夜空を見上げるとたくさんの星々たちがきらめいています。

特に寒い季節は夜景ももちろんですが、星空が一段ときれいに見えますよね。
周りにネオンがないところほど星ははっきりと見えますし。

じっくりと静かに夜空を眺めていると、時折流れ星を見かけることがあると思います。

そんな時はラッキー!と思ったり願い事をお願いしたりと、ほんの一瞬の出来事に必死になってしまいますよね。

ところで流れ星といえば彗星、彗星といえばハレー彗星が有名だと思いますが、あなたはどれくらいハレー彗星のことをご存知でしょうか?
ハレー彗星を見たいと思っても、いつでも見られるわけではありません。

だから、この記事を見て今からいつ見ることができるのかをチェックしてみてくださいね(^^)

ハレー彗星の影響は?

ハレー彗星は別名「ほうき星」とも呼ばれています。
この名前はあなたもよく聞いたことがあるでしょう。

ほうき星と聞くととてもラッキーな星・・・決して悪いイメージを持たないですよね。

しかし、実際には昔から不吉な星と恐れられていました。

どう見ても僕は、流れ星って滅多に見られないからラッキーなイメージしか持たないんですけどね。

推測ですが、古代の人々は彗星の存在そのものが珍しいものとして扱われ、夜空に流れる様子がその場で輝く星たちと比べて「異常」な状態に見えたのでしょう。

 

また彗星の形が剣に見え、戦争や自然災害、病気など、災いの象徴として見なされたことがありました。
その意味に転じてなのか、一方で戦いの勝利を表す星とも呼ばれたりもしているようですが。

さらには彗星の尾にあたる部分を、昔の人は髪の毛だとか言われていたことさえありました。

彗星の先の部分が顔だとしたら、長い髪の女性の生首が夜空に流れるというイメージでしょうか?

想像すると…確かに怖いですね!
そんな彗星のイメージが、かつてから持たれていたことが分かったところで、じゃあハレー彗星は実際、昔からの言い伝え通り悪い影響をもたらす彗星なのでしょうか?

記録によるとハレー彗星が地球に接近したことが何回かあります。

近年では1986年。
この年はどんな影響を受けたのでしょう?

 

当時の日本は、ハレー彗星にある種の憧れを持っていたのか、ハレー彗星ブームが世の中に浸透していたんです。

JPopにも歌の歌詞に出てきたり、化粧品のネーミングにも使われていたりしていました。

漫画ではあの名作「ドラえもん」もハレー彗星の話を巡って、前回ハレー彗星が地球に接近した1910年にタイムスリップする「ハリーのしっぽ」というストーリーが出たくらい。

 

ちなみにドラえもんの「ハリーのしっぽ」のモチーフとなったのは、1975年に出版された絵本「空気がなくなる日」です。

1910年のハレー彗星接近で空気が5分だけなくなる…つまり息ができなくなるというデマが実際に流れた時のお話。

その当時を生きた子供たちが、迫りくる恐怖にどう対応したのかリアリティに描いています。
絵本の作者である岩倉政治の実体験を基にした話だからでしょうね。

 

さて、モノについての売れ行きですが、この目でハレー彗星を見たいという人も多かったのか、望遠鏡の売れ行きは絶好調。

ハレー彗星景気とも呼ばれたこの景気は、日本にいい影響を残しましたが、もともと起こっていたバブル景気の頂点だっただけかもしれません。

いずれにせよ、今の日本では想像できませんが、きっと上野動物園のパンダが子供を産んだ時くらいの賑やかな感じだったのかもしれませんね。

 

ちなみに海外ではこの年、当時のソ連がチェルノブイリ原子力発電所の事故を起こしています。

さらにフィリピンでは、当時の大統領フェルナンド・マルコスが、自身の大統領戦で開票操作を行い、国中がマルコスを非難し、マルコス自身は亡命に追いやられたエドゥサ革命が起きていますね。

ハレー彗星はまさに、お国も違えば日本のように幸福をもたらす彗星とも呼ばれていたのですが、やはり厄災をもたらすという悪い影響の印象が強いとわかります。

 

ちなみに前々回の1910年にハレー彗星が地球に接近した時、この時の日本はというと天皇暗殺を企てた大逆事件、韓国の併合などよろしくない悪い事件が記録されています。

なので、日本だけが幸福をもたらすっていうわけでもないようで。
国外では日本とはまた別の大混乱をもたらしました。

彗星の尾にシアン化合物が含まれているのですが、この成分が人体にとって有害な物質であることが分かったためです。

とはいえど、実際にはごく微量なほど。
すなわち致死量に値するものではないということですね。

しかし噂は止まることなく、次回のハレー彗星が来るときは人類は滅亡するという説が流れ、さらに人々を不安に陥れます。

 

あとはハレー彗星が地球よりも大きすぎて、その彗星の光に包まれてなのか、地球がハレー彗星によって滅亡するとか。

人々がこういった根拠のないマイナスの噂に振り回されるということは、ハレー彗星の存在がいかに僕たち人類にとってある種の恐ろしい存在だったかが分かりますね。

 

余談ですが、近年ポケモンGoのブーム時にハレー彗星の影響でポケモンの地図が開けないという混乱が起こりました。

彗星の影響でポケモンの地図が開けないことってあるの?
そうあなたは思ったことでしょう。

いや、そもそも21世紀に入ってハレー彗星って地球に最接近してたっけ?

…そんな疑問を持ったあなたは鋭い!
これはハレー彗星が影響しているのではないんです。

単にハレー彗星という用語のAPI(アプリケーションプログラミングインタフェースの略。
アプリケーション同士が相互に情報を伝え合う機能)が新しいバージョンになったことが原因でポケモン地図に混乱をもたらしたようです。

だから、実際の彗星とは全く関係ない話なんですね。

 

ところでハレー彗星の「ハレー」は天文学者のエドモンド・ハレーに由来しています。
たいていの星や彗星の名前は、発見した人物の名前を取って名付けられるのがほとんどなんですよ。

しかし、ハレー彗星の場合は彗星を発見した人ではなく、ハレー彗星の軌道を計算した人物、すなわちハレーによって名付けられたというパターンなのです。

そういえば、ハレー彗星の軌道はどんなのでしょう?

ハレー彗星の軌道は?

あなたはハレー彗星の軌道は、どのような動きをしているかご存知でしょうか?

ハレー彗星は太陽の周りを公転しながら走っています。

公転するのは惑星だけじゃないというのは驚きですね。
最も遠いハレー彗星の軌道は海王星軌道の外側になるのですが、あまりの遠さであなたは想像できないと思います。

もっと遠い太陽系惑星、冥王星に比べて近いと思えば想像できるかもしれません。

とはいえ冥王星も、太陽系惑星から外されたことがあるくらいの遥か彼方になるのですが…

 

ハレー彗星の軌道は変化をし続けて、だ円形の形にになったのは今からおよそ1万6000~20万年前のこと。

最初から軌道が決まっていたわけではないのですね。

ハレー彗星の寿命は10万年もてばいいほど。
これは、彗星から出る物質を放出し続けているために、彗星そのものに寿命があるのだと言われています。

最終的にはもちろん放出物が出し尽くされて、ただの大きな石の塊になるでしょう。

もしくはそのまま軌道が安定して宇宙をさまよい続けるか、勢いがなくなって太陽系から外れてしまうか、どちらかの終幕を迎えるでしょう。

 

人類に恐れられていた彗星の最後が、輝きのないまま静かにさまようというのは、切ないもの。
彗星の命もはかないものですよね。

ところでこのハレー彗星ですが、ある一定の周期があります。

ハレー彗星の周期は?

ハレー彗星は紀元前から発見されていた歴史深い彗星。
周期彗星番号というのがあるのをあなたはご存知でしょうか?

僕は周期彗星番号の存在を知らなかったのですが、なんでも彗星の軌道が決まると、周期彗星番号が与えられるのだとか。

で、古くから目撃情報が記録されているので、あなたのご想像の通りですが、ハレー彗星がその周期彗星番号の1番目になるんですよ。

 

ではハレー彗星の周期はどれくらいなのでしょうか?

ハレー彗星の周期は76年ほど。

人生90年生きれる場合は、一生のうち2回も見れてしまうんですよね。

 

ただ、この76年の周期だと聞いても、他の彗星と比べてどうなのかピンとこないと思います。

では他の彗星の周期と比較するとどうでしょう?

もっとも短い周期の彗星はエンケ彗星で3.3年。
逆にもっとも長い周期の彗星は池谷・張彗星でその周期は366年!

他の彗星と比べてとっても長いのですね。

かといって、ハレー彗星が平均的な周期なのかというと、決してそうではなく、だいたい6年〜10年周期のものが多いです。

 

何十年周期の彗星は、そんなに多くはないということがわかりました。
科学的根拠ももちろんですが、ハレー彗星の発見も長い歴史があります。

ハレー彗星と名付けられた時も1758年ですし。

名付けられる以前にも、中国王朝の歴史書にハレー彗星と思われる記録が残っているくらいですので、歴史的根拠も照らし合わせて76年周期となったのも理由の一つだと僕は思います。

 

さて、ハレー彗星の周期が76年だとわかったところで問題となるのは、次回ハレー彗星がいつになるのか?ということですね。

あなたも気になると思います。

次みられるのはいつ?

前回は1986年にハレー彗星が地球に最接近しました。

では、次回もっとも地球に近づくのはいつなのかというと、2061年7月28日だといわれています。

 

2061年だと、年代によってはハレー彗星を見れるかもしれません。
まぁ、僕たちよりも若い世代に限られるのはもちろんなのでしょうけど…

また、日本の季節ですと夏なので、梅雨も終わっていますね。

前回のハレー彗星は1986年2月9日でしたので、当時の日本は冬でしたから、観測できない地域が多かったのではないでしょうか?

最接近…とはいっても彗星と地球の位置が悪く見えにくかったようですから。
次回は夜晴れていればハッキリとハレー彗星を拝めることができますし、楽しみですね。

 

さて、めでたしめでたし…と締めたいところですが、不安にさせるお話をここで投下しようと思います。

現在、ハレー彗星は2つに分かれかけた形で宇宙を走っているんですよ。

とはいっても完全に2つに分かれてはいなくて、人間で言えば仲良く手を繋いで走っている状態…といえば分かりやすいでしょうか。

 

次回地球に接近する頃には、もしかするとハレー彗星は2つに分かれて別々に流れているかもしれません。

大きさも小さくなり、迫力もその分劣るかもしれないです。
となると、形や大きさが変わると間違えて地球に衝突する可能性も否めないのではないか?

そう僕は思うんです。

 

かつてニュートンも僕と同じように思ったことがあったようですが、彼の場合はハレー彗星は分裂せず、そのままの形を保って衝突。

しかも衝突対象は太陽、という考えでした。

彼の仮説を再現した映像が出回っているけど、映像を見て僕は「えーっ?」と思ったんですよ。

 

映像の内容は、ハレー彗星が太陽とぶつかると、まるで石を水の中に落として水しぶきが弾けるような炎が出てきて、その炎が地球まで飛び上がり、一瞬で地球が跡形もなく消えちゃうという…

確かに、ぶつかってある程度の衝撃は太陽に起こると思います。

しかし、太陽は地球よりもはるかに大きい惑星なので、ハレー彗星が太陽にぶつかってもここまで太陽の炎が飛び火するのかは甚だ疑問ですね。

もう少しリアリティのある根拠なら僕も納得できるんですけど…

 

ハレー彗星が地球に衝突するという仮定があまり存在しないのですが、僕はハレー彗星が地球に衝突する可能性があると考えています。

でも実際になって欲しくないというのが本音ですけどね。

では、ハレー彗星についてまとめます。

ハレー彗星まとめ

今回はあなたもよく耳にする彗星、ハレー彗星の話をしました。

ハレー彗星は昔から不吉な影響を及ぼす星と呼ばれていました。
悪い噂が先走りしていたり、実際に世界で悪い事件や事故が起きている一方で、日本はハレー彗星の恩恵で経済は比較的潤っていたので、一概に不吉な星とはいえないということです。

ハレー彗星の軌道は、太陽の周りを公転しており、もっとも遠い起動が海王星付近。
軌道がだ円形になったのは、今からおよそ1万6000~20万年前のこと。
ハレー彗星の周期は76年と言われており、周期彗星番号の1番目と歴史の古い彗星となっています。

次回ハレー彗星が地球に最接近するのが、2061年7月28日。
現在のハレー彗星は2つに分かれそうな形をしているので、地球に接近する頃にはハレー彗星は2つに分かれて別々に流れているかもしれません。

次回、ハレー彗星が地球に近づく頃、もし僕たちが生きているとしたなら今度は悪い出来事は起こらないだろうとあえて楽観視することにします。

だって、これ以上ハレー彗星に悪いイメージを持ってしまったら、本当に「不吉なほうき星」と呼ばれてしまいますもの。
流れ星に願ったらお願いが叶ったというプラスのイメージをハレー彗星に対して持ち続けたいところですね。