近未来を舞台にしたアニメでは、地球は住めない状態のため、別の惑星に(コロニーとも呼ばれています)移り住んで生活をしているという場面があります。

豊かな自然と近未来風の建物…あの場面を見るたび、コロニーの暮らしってどんな感じなのか、ワクワクしたものでした。

そんな中、地球から火星に移住する計画が実際に出てきています。

火星に住めるのかどうかをより深く追求するため、火星探査機キュリオシティが現在一生懸命探索してくれているんですよ。

地球以外の惑星に住みたいという憧れはあるけれど、そのなかでも火星に本当に住めるのか?

気になるあなたは要チェックです!

火星探査機キュリオシティとは?

火星探査機キュリオシティとは、NASAが火星の実態を把握するために投入された探査機。
キュリオシティという名前は「好奇心」という意味ですから、まさしくその名の通り火星への好奇心を持って探索していると受け取れますよね。

 

キュリオシティが打ち上げられた目的は何でしょう?

火星に生き物がいたのか、そして現在もいるのかどうかということでしたよね。
地球に住む僕たちが、いつか火星に住むという計画を実現するための調査ともいわれています。

キュリオシティの構造は、ただ火星の周りを回ったり歩き回るだけではありません。

具体的にいうと、付属しているロボットアームを使って、火星の土壌を掘り出して成分の分析をしたり、10種類の観測装置を駆使して火星全体の様子を観測したりしています。

2011年11月26日に打ち上げられたキュリオシティ。
2012年8月6日に火星に辿り着き、現在も調査を続けていますが、そんなキュリオシティから届いたビックリな映像が届きました。

それはどんな映像なのか、気になるそこのあなた。
心して次のセンテンスに進みくださいね。

火星キュリオシティの成果

かつて月に初めて人間が降り立った時、別の惑星から見た地球の景色を見て「地球は青かった」という言葉を残しました。

もし僕がキュリオシティから映し出された映像を見て感想を述べろといわれたら、「まるで荒野のようだ」と呟きますね。

 

そう、火星から送られてきたキュリオシティの写真は、薄暗い空に覆われていて一面に広がる赤い荒野が、ただ砂ぼこりに巻かれているだけ。
とても寂しい景色です。

彼方から険しい山脈が見えて長く続いているのですが、これは隕石でぶつかったクレーターの端っこなのですね。
とても広大なクレーターがあるということは、火星に落ちてきた隕石もその分大きかったということ。

この火星の様子をキュリオシティを通して見た時、隕石落下がいかに脅威のあるものかを感じさせます。

こんなに寂しく危ない光景が伺える火星。
火星移住計画がなぜ世間に浮上してきたのかをお話しすると、ある人物がキーパーソンとなっています。

なぜ火星移住計画が進められているのか?

火星移住計画を特に推し進めているのがイーロン・マスクという人物。

彼はアメリカにあるスペースX社のCEOや、インターネットの決済のPayPalを立ち上げるなど、幅広く起業している若き経営者。

まさにカリスマ的存在といわれてもおかしくないイーロン・マスクが、あることを理由に火星移住計画をやろうと思い立ちます。

 

それは何でしょう?

 

その理由は氷河期が来るため。

えっ?地球温暖化じゃないの?と思ったあなた。

確かに僕らが理解や社会の授業で習った時は、環境破壊による地球温暖化について深刻な問題となっていると聞いていました。
しかし近年の研究では、地球温暖化よりも氷河期がやってくる可能性の方が濃厚になっていると、科学者の間では囁かれているんです。

イーロン・マスクは来るべき氷河期が来るのに備えて、人類滅亡を避けるために火星移住計画をしたのではないか?といわれているのですね。

 

氷河期が来てしまうと、人類が今まで通りの環境で住むことはできなくなるし、食糧問題も出てきますから、それに向けての対策として火星移住計画を立てたのでしょう。

 

火星に住むための計画って具体的にどんな計画なのか、気になりませんか?

火星移住計画「マーズワン」

イーロン・マスクが経営するスペースX社はこんな計画を立てていて、既に実行されているものもあります。

その名も火星移住計画「マーズワン」

火星移住計画をするにはまず開拓者が必要ですよね。
この計画は18歳以上から応募ができます。

マーズワンの計画に対し火星移住希望者を募ったところ、なんと全世界から20万人ほどの応募者が名乗り出ました。
しかし応募者全員が火星に移住するわけにはいきません。

 

まずは火星に移住しても大丈夫なのかという「適格者」を選ばなければならなくて、最終的には多くても40人ほどに絞られます。

 

適格者はどういった基準で選ばれるのでしょうか?

それは宇宙飛行士の面接とよく似ているけど、少し異なる所もあります。
自主性があって目的意識かつ行動力があり、他のメンバーとのコミュニケーションが取れること。

つまり相互の信頼関係を築くことが出来る人ですね。

性格もポジティブシンキングで、野ざらし状態の火星の環境にある程度耐えられる適応性も見られるでしょう。
この辺りは宇宙飛行士の面接でも重視されると思います。

 

宇宙飛行士の面接と異なる所については、選ばれたメンバー達のトレーニング風景をテレビで放映されるので、まずは面接通過者がテレビ放映されても差支えがないかどうか、確認はされるでしょうね。

だって宇宙を介して火星に着くという壮大なプロジェクトですから。

メディアだって史上初の壮大なプロジェクトをドキュメンタリー化しないわけがないですよね。

 

でも厳しい審査に選ばれても、それで終わりではありません。

今度は宇宙の無重力状態や、火星の過酷な環境に耐えられるか、同じ仲間の人命救助の訓練など、体力的なトレーニングが行われます。
また、植物を育てるための知識や、乗り物の修理なども学ばなければなりません。

誰でも宇宙に行けるわけではないからこそ、自力で何もかもやらなければならない。
マーズワンの計画に選ばれるには自分で考え行動できる、体力も精神力もある人物でないと選ばれないということが分かりますね。

 

ただ、実際に火星で食物を育てる時には空気が必要。

火星は大気中の95パーセントが二酸化炭素なので、一見人間が住むには不可能なのではと思うところですが…
二酸化炭素を一酸化炭素と酸素に変える機械を導入すれば、植物は育てられるし、人間も住むことは可能です。

 

とはいえ、よしこれで解決かと思いきや、他にも問題山積みの火星移住計画。
一体どんな問題があるのでしょうか?

これは火星という惑星の特徴にも関係しています。

そもそも火星に住めるのか?

火星はどんな星なのか一度授業で習ったかと思いますが、ここでは復習を兼ねてもう一度おさらいしてみましょう。

公転周期、自転周期

火星は地球に比べておよそ二倍の公転周期で1.88年です。

これは火星が地球より外側に位置するから、地球より長い周期になっているとされています。

ちなみに一日は地球より38分長い24時間38分。
一日が終わらないでほしいって思う時、40分も長いとちょっと特をした気分になりますよね。

 

火星には周りにフォボスとダイモスという衛星が走っています。

ギリシャ神話に出てくる戦いの神、アレースの2人の息子の名前から由来しているのですが、フォボスは「狼狽」、ダイモスは「恐怖」という意味なので、どちらも穏やかではない名前を持っていますよね。

 

アレースという名前はローマ神話ではマルスと呼ばれ、これが火星(マーズ MARS)の由来。

火星についてのイメージは音楽でも影響を受けています。

あなたもご存知かもしれませんが、作曲家ホルストの組曲「惑星」は、占星術を学んだホルスト自身が太陽、月、冥王星を除く天体のイメージを音楽で現しました。
歌手の平原綾香さんが「木星」に歌詞をつけて歌っていましたが、木星は貫禄さと雄大さ、荘厳さを連想する音楽でしたよね。

対して火星はやはり焦燥感と一触即発の攻撃的な、テンポの速い曲なんですよ。

 

こうしてみると火星は攻撃的な感じを持たれているようですが、なぜなのでしょう?
それは火星の色とも関係があります。

酸化鉄で覆われた地面

火星にある岩石や土には酸化鉄が多く含まれており、赤い色をしています。

農作物を育てるには適しておらず、実際に農業をするなら温室のハウス栽培のような形で生産する事になると思います。

火星ではよく砂嵐が発生し、地面の細かい土が空へと巻き上げられるのですが、この現象が宇宙から眺めると曇りがかった赤褐色のようにみえるのだとか。

 

確かに夜空から見える火星は、他のどの星よりも赤く輝いて見えますよね。
この赤色が昔の人たちには戦争をイメージしたとされ、戦いの神の名前をつけたのでしょう。

ところで赤い色が火星の土の色だと分かったところでふと思うのは、大気の存在

地球は大気があるから白い雲が宇宙から見えますが、火星は全体的に赤くみえますよね。

大気はあるの?

これは先にも説明しましたが、地球ほどではないものの、大気は存在しています。

ただ、大気の量は僅かしかないため、ダイレクトに地表が丸見えになっているんですね。
だから火星は雲らしきものは見当たりません。

 

ちなみにNASAの発表によれば、火星に水があるという情報が出ています。

これはキュリオシティとはまた別の火星探査機、マーズ・リコネッサンス・オービターが撮影したもの。
データを収集した結果、クレーターの壁面に水が流れていた跡があることからわかりました。

そして水を含んだ過塩素酸塩の存在…

 

ところで過塩素酸塩って何でしょうか?

過塩素酸自体、そのものが強力な酸化力を持っていて、HClO4と表されます。
化学式を見る通り水素がくっついているのですね。

摩擦など熱を加えたりすると爆発したりするので爆弾などの材料として使われることも…

 

それで、この過塩素酸塩は危険な物質なのですが、この物質を餌にして生きている生物が地球の砂漠地帯に存在するので、火星にも生物が生きているのでは?と囁かれています。

 

具体的にいうと、南米チリにあるアタカマ砂漠に、過塩素酸塩を取り込んで生きる目に見えない名もなき微生物が確認されており、この微生物の研究解明を急いでいます。

しかし、個人的には火星に生物はいるとは思いたいところですけど、これだけを理由に生命が存在するっていうのはまだ弱いと思うんですよ。
植物らしきものがあったとかだったら、より信憑性が高まると思うんですけどね。

さて、地球と火星との違いはまだまだあります。

重力や地磁気は?

火星は重力が地球の3分の1。

ということは、宇宙にいるようにふわふわと浮いた感じになるってことですね。
重いものも軽く感じるのは便利かもしれません。

 

しかし一方で地磁気がゼロなので、宇宙から受ける放射線はモロに受けてしまいます。

地磁気について詳しく説明すると、僕たちが地球上のどこかを探検する時に、目的地を方角で示す道具がありますよね。
そう、あなたもご存知の方位磁針。

一見、放射線とは関係ないと思うでしょうが、この磁石の力は太陽が宇宙を通して放たれる放射線をカバーする役割を持っているんですよ。
僕らが普段から外に出て生活していけるのは、地磁気が宇宙から受ける有害物質をシャットアウトしてくれているおかげ。

 

地球では当たり前のように外で活動できますが、火星ではできないのが分かりますね。

 

更に気温についても地球と違う点があります。

気温について

火星の平均気温はマイナス55度だといわれています。

地球の平均は15度なので、マイナス55度となると人間が普段の生活を出来るのかが心配なところ。
1番寒い場所でマイナス140度なので、火星自体赤色に似合わないとても寒い星だということが分かりますね。

こうしてみると、ますます火星は人間が住めるような星じゃない気がします。

 

他にも地球と火星の軌道の問題もあって、お隣の星だというのに物資は2年に1度くらいでないと送ることができないのですね。

しかも、物資も100パーセント送れる可能性があるわけではないから、万一物資を送り届けられなかった場合、さらに2年待たなけばなりません。

その間、食糧不足になって飢え死になんてことも…

 

僕は、火星に住むなんて実際難しいんじゃないかなと思います。
温室栽培用のハウスはきっと規模の大きなものになるし、快適に過ごせるための環境整備にするにはコスト面でも、技術面でも大変なのではないでしょうか?

ただ、現段階では火星に住むには難しくても、火星に住むための技術開発が進めれば、不可能ではないとも思っているんですよ。

来るべき時に宇宙に住む事を余儀なくされるかもしれない。

 

それはイーロン・マスクが怯えている氷河期だったり、地球規模の自然災害だったり、世界レベルの戦争など….

もう地球以外の星に住むという選択肢しか残されていない時に火星移住が実現できるように、火星を快適に過ごせる環境作りに研究を重ねる科学者はたくさんいるはず。

火星移住計画はゆっくり時間をかけていけばいいなと僕は思います。

 

慌てて移住生活を実行して、不測の事態が起こった時に沢山の犠牲者が出てしまうのは嫌ですからね…
地球以外の惑星での移住ですから、慎重に実行すべきです。

ではまとめに入りましょう。

火星探査機キュリオシティ 火星の謎にせまる!まとめ

今回は火星探査機キュリオシティと火星についてのお話をしました。

  • 火星探査機キュリオシティとは?

キュリオシティは、NASAが火星の実態を調査するための探索機で、火星移住計画を実現するための探査機ともいえます。

  • 火星に降り立ったキュリオシティが見た景色

薄暗い空に覆われていて、一面に広がる赤い荒野、クレーターでできた険しい山際のような跡、そして砂ぼこりという寂しい景色です。

  • なぜ火星移住計画が進められているのか?

スペースX社CEOのイーロン・マスクが、近いうちに起こるであろう地球の氷河期に備え、人類が生き残るために火星移住計画を考えました。

  • 火星移住計画「マーズワン」

火星移住希望者のうち選ばれた人は、さらに人命救助などの訓練から機械の修理のノウハウや農作物の知識を学び、最終的には最大40名が火星に移住できます。

  • そもそも火星に住めるのか?

火星の平均気温の低さと大気がほぼないこと、放射線の影響を直に受けること、物資運搬の問題などから、とても住めれる環境ではないですが、科学技術の発展によっては近いうちには実現可能だと思います。

 

地球の以外の惑星に住むなんて、漫画や小説の世界だけの話だと思っていましたが、実際に火星に住む事が実現できたら感動は一際大きくなるでしょう。

すぐには実現できないかもしれませんが、僕が生きている間に、火星移住計画が実現されたらいいなと願うばかりです。