学校の世界史でも取り扱う「ミノス文明」に登場する「クノッソス宮殿」。
1900年にイギリスの考古学者エヴァンズによって発掘された、この「クノッソス宮殿」は、紀元前2000年前~1400年前の建築物です。
もちろん歴史的価値も非常に高いです。
それにも関わらず、未だに「世界遺産」に登録されていないのはご存知でしょうか?
この理由は後程お伝えいたしますね。
この歴史的価値がある宮殿が「世界遺産」に登録されていないのも不思議ですが、この「クノックス宮殿」には非常に不思議な特徴が3つありました。
また、その特徴とギリシャ神話の「ある怪物」が登場する物語と一致することから、神話の舞台ではないのかとも言われています。
そこで今回は、
- クノッソス宮殿の特徴とは?
- クノックス宮殿を舞台としたギリシャ神話とは?
- 世界遺産に登録されない理由
をお伝えしていきます。
まずは3つの特徴から見ていきましょう。
クノッソス宮殿の3つの特徴とは?
特徴1 まさに迷宮と呼べる構造
この宮殿は、中央に大きな広場があり、広場の周りに大小様々な部屋が配置されている構造でありました。
ただし、その各部屋をつなぐ廊下は、とても複雑に入り組んでいて、まるで迷路の様になっていたようです。
この様な構造から、「一度宮殿の内部に入ってしまうと一人で抜け出すのは非常に困難である」と言われていたようです。
なんだか、不思議な構造ですよね。
構造を複雑にすればするほど、設計や建築が大変になるだけでなく、使い勝手を悪くするだけです。
まるで、中に入り込んだ人物を迷わせ、抜け出せないようにしているようにも思えます。
こちらの動画をご覧ください^^
特徴2 宮殿なのに防衛設備がない
「宮殿」ですから、当然その国の王が住み、政治の中心であったはず。
そんな場所なのに、外敵の侵入を防ぐ外壁が全く無かったようなのです。
また、建物の内部のいたるところで石こうが使われていたようです。
石こうという素材は、非常に傷が付きやすく壊れやすいので、このような重要な建築物に利用するには適しません。
一体、何の為の宮殿だったのでしょうね。
王もそれ以外の人もこの宮殿に居住するには適していないのです。
だとしたら、本来の宮殿としての機能ではなく、全く別の理由で建築されたのではないのでしょうか?
特徴3 宮殿の各部に描かれる「牛」
宮殿内部の装飾は、非常に豪華なものであり、なぜか、いたるところに「牛」の壁画などが施されていたようです。
何故、人間が居住していなかったかもしれないのに、この様な装飾が施されていたのでしょうか?
他の特徴を考えると、この宮殿は「儀式」を執り行う場所であったのではないかと考えると、納得がいきます。
しかし、最初にお伝えしたギリシャ神話の「ある怪物」の物語との一致により、別の仮説が提唱されます。
「牛」がクノックス宮殿と神話を結びつける重要な役割をしますよ。
「クノックス宮殿」を舞台としたギリシャ神話とは?
ギリシャ神話に怪物は、たくさん登場しますが、半獣半人「ケンタウロス」が、有名ですね。
上半身が「人間」で下半身が「馬」の怪物です。
同様に「牛」の半獣半人もギリシャ神話には登場します。
それは、上半身が「牛」で下半身が「人間」の「ミノタウロス」と言われる怪物です。
では、「ミノタウロス」の物語とはどのような話なのでしょうか?
ざっとですが、「ミノタウロス」の物語をまとめてみました。
“ミノスの王が海神ポセイドンに、牡牛を奉納するのを忘れてしまう。
怒ったポセイドンがミノス王に罰を与える。
その罰とは王妃が牡牛と恋に落ちてしまい、牡牛との子供を産むというもの。
その生まれた子が半獣半人「ミノタウロス」でです。
乱暴なミノタウロスに、困り果てたミノス王は複雑で奇怪な構造の宮殿を作り、その奥深くにミノタウロスを幽閉する。
ミノタウロスは、王によって集められた勇者により退治される。“
なんとも、後味の悪い話ですよね。
というか、ポセイドンって短気すぎませんか?(笑)
「牛捧げるのを忘れたぐらいで、何もそこまでしなくても」って思いますよね。
感想はこの辺りにして、「クノッソス宮殿」の特徴をミノタウロスの物語に当てはめてみましょう。
クノッソス宮殿とミノタウロスの共通点
- 特徴1 ミノタウロスを迷わせ、抜け出せないようにしている。
- 特徴2 本来の宮殿としての機能ではなく、幽閉する為に建築された。
- 特徴3 ミノタウロスを閉じ込める設備なので「牛」が描かれた。
神話の舞台であるという辻褄が合いました。
しかし、怪物を閉じ込めるだけであれば強固な牢獄を作れば十分な気がしますよね。
二度と抜け出せない様にしなければいけないほどミノタウロスは恐ろしかったのでしょうか?
それにしても何故このような特異な特徴のあるクノッソス宮殿が世界遺産に登録されないのでしょうか?
「クノックス宮殿」が世界遺産に登録されない理由
非常に豪華な内装と「牛」の壁画が特徴の「クノックス宮殿」。
それらは、発掘当時非常に重要な物であると考えられたようです。
そこで、発掘作業にあたっていたエヴァンズがそれらの内装を「復元」したそうです。
つまり、一部を除き「クノックス宮殿」のレプリカみたいになってしまった訳ですね。
このことにより、歴史的価値はあるが当時の形を留めていない状態になってしまったので世界遺産には登録されていない訳であります。
エヴァンズの探求心ゆえの誤算だったのでしょう。
今回はクノッソス宮殿について語れるだけ語ってきました。
クノッソス宮殿〜まとめ〜
今回はクノッソス宮殿について
- クノッソス宮殿の特徴とは?
- あの有名な神話は本当だった?
- 世界遺産に登録されない理由
をお伝えしました。
クノックス宮殿は、3つの特徴は
- 特徴1 まさに迷宮と呼べる構造
- 特徴2 宮殿なのに防衛設備がない
- 特徴3 宮殿の各部に描かれる「牛」
と、なんとも不可解な構造でありましたね。
そして、それらの特徴が「ミノタウロス」が登場するギリシァ神話の一説と一致することから、神話の舞台であったとされていましたね。
しかし、この歴史的価値のある宮殿が「レプリカ化」されてしまった事により、世界遺産に登録されていない事もわかりました。
神話の舞台が実在したなんてすごいですよね。
神話って空想上の物語と思っていましたから。
「クノックス宮殿」の他にも、神話や伝説の舞台となっている遺跡が存在するのかもしれません。
様々な観点で、調べる事により新たな発見が出来るかもしれませんね。
コメント