「ナノマシン」って聞いたことはありますか?
細菌や細胞よりひとまわり小さい、目に見えないウイルスサイズの装置で、今、医療分野で大注目されているものです。
これがあるとがん細胞を狙い撃ちできると言われています。
しかも副作用の少ない。
なので新たながん治療法として研究が進められ、実用化に向けて大きく動き出しています。
ちなみに、ナノマシンと聞くと「マシン」という名が付いているのでロボットのような機械を想像してしまいますが、電子回路で動くわけではないそうです。
色々複雑そうですね・・・。
そこで今回は
- いったいどんな仕組みで効くのか?
- 実用化されるとどんなメリットがあるのか?
- 問題点はないのか?
詳しく調べました。
特にグレイグー問題は超重要です。
ナノマシンの実用化で医療界に大革命が?
今、医療の分野で大注目の理由は、このナノマシンに抗がん剤を仕込み、体内に入れるとがん細胞だけを狙って薬を効かせることができる仕組みが研究されているからです。
ナノマシンは、直径100nm(1万分の1mm)以下の大きさの、目に見えない世界で働く装置です。
「ナノ」はサイズがとても小さいこと、「マシン」は機械のように作用する装置ということから付けられた名前なので、極小のロボットという意味ではないとのこと。
実際には、抗がん剤を特殊なポリマーでコーティングした「高分子ミセル」というカプセル状のものを、静脈注射で血管内に入れます。
がん細胞の周囲だけは正常な細胞よりも血管の目が荒くなっているので、そこからカプセルが血管外へ出ていき、がん細胞へ取り込まれるようにプログラミングされています。
そのため、正常な細胞を傷つけず、がん細胞だけを攻撃できるという画期的なシステムなのです。
また、造影剤を入れたカプセルを体に巡らせておき、がん細胞を発見した時点で抗がん剤を入れて処置するといったことも可能になります。
この方法なら、再発の恐れのあるがんに対しても検査の負担を軽くし、万一の再発の際にはすばやく対処できるメリットがあります。
こちらの動画をご覧ください。
医療最前線です。
ナノマシンを使えば大きな検査機械なども必要なくなり、大病院だけでなく小さなクリニックなどでも治療が可能になるので、田舎に住んでいても安心ですね。
また、狙ったところだけに効かせることができるので、現在使われている抗がん剤よりも副作用がぐっと少なくなるのは大きな利点です。
ナノマシンの実用化は、まさに医療界の大革命なのです。
ナノマシンにそんな革命的な効果があるのなら、一刻も早く実用化してもらいたい気持ちになりますね。
今現実にがんと闘っている患者さんにとっては、希望の星のように思えるでしょう。
いつごろ実用化されるのかとても気になりますが、現在どの程度まで進んでいるのか現状を調査しました。
ナノマシン実用化の現状は?
がん治療におけるナノマシンの実用化は、かなり進んできています。
臨床試験の最終段階まできていて、数年内に新薬として使えるようになる可能性が高いようです。
特に、肺がん・乳がんへのナノマシンの利用は、進行がんに対しても効果が出るのかどうかの最終確認中で、効果が認められれば承認申請し、認可が下りれば実用化される見通しです。
その他のがんについても臨床試験中で、実用化に向けて調整が進んでいるとのこと。
患者の体への負担が少なく、効果的であるということが証明されて、一日でも早く実用化されるといいですね。
夢のような効果が期待でき、副作用などのデメリットの少ないナノマシンですが、よいことばかりなのでしょうか?
よいことがあれば悪いこともきっとあるはず…何か問題点はないのか調べてみると、興味深い問題を発見しました。
グレイグー問題は地球を滅ぼす大問題?
ナノマシンを効果的に働かせるためには、ある程度の数を体内に入れる必要があります。
しかし、体外でナノマシンをたくさん作るのは費用や手間がかかりすぎるので、体内に入れたナノマシンを増やせるようにするとそれらの問題は解決できるはずですよね。
さらに将来的には、増殖するウイルスなどにも対抗できるように、体の中でナノマシンをたくさん作ることのできるシステムが必要と考えられます。
そこで、ナノマシン自体に複製機能をもたせて、体内でナノマシンのコピーを作り出す技術が研究されているそうです。
人体の中の材料を使ってナノマシンのコピーを作り、ナノマシン自身で数を増やせるようにプログラミングしておく方法です。
ところがここで、もしも複製過程でエラーが起きてしまった場合どうなるのでしょうか?
プログラムエラーが起きると、異常にコピーが繰り返され、ナノマシンが無限に増え続けるというのです。
体内の材料を使って増殖するのですから、体はナノマシンに食い尽くされ、外に溢れ出してしまいます。
ここまで考えただけでも恐ろしいことですが、異常増殖が止められないと、ひとりの体だけにとどまらず、もっと恐ろしいことが起きます。
空気中に漂ったナノマシンは、次々にほかの生物も材料として増殖を続け、最終的に世界中を覆い尽くし、地球は灰色のドロドロした物体の塊になってしまう恐れがあるのです。
この、灰色ドロドロのナノマシンの塊を「グレイグー」と呼び、恐ろしい異常増殖を起こす「グレイグー問題」が地球を滅ぼす大問題となりうる可能性も指摘されています。
しかし、天然のナノマシンともいえる機能を持っているバクテリアでは、グレイグー問題のような現象が起きていません。
また、体外に飛び出すほど増殖する前に、人体の機能が停止してしまい増殖するためのエネルギーが絶たれるため、グレイグーとまでなる可能性は極めて低い、という研究者もいます。
このほかにも、細菌兵器のような使われ方をした場合を恐れる声もあります。
どんな便利な道具も使い方を誤ると、恐ろしい凶器に変わってしまいますよね。
技術の進歩は、世界がよくなる方向にだけ使われるように願いたいものです。
ナノマシン・実用化への現状と未来に起こりうる問題~まとめ~
これまでも、カプセル型内視鏡(飲む胃カメラ)や遺伝子治療など、医療の世界でもどんどんマイクロ化・ナノ化が進み、実用化されてきました。
そのおかげで体への負担がずいぶん軽くなったことはとても喜ばしいことです。
ナノマシンも、正しく適切に使われれば、メリットの大きい画期的なシステムです。
グレイグー問題を解消できれば、ですけど。
がん細胞を狙って抗がん剤を効かせることができれば、今までの抗がん剤治療で副作用に苦しんでいる多くの患者さんを救うことができるのです。
副作用が少なくなれば、仕事や子育てをしながらの治療だって楽になるに違いありません。
一日でも早く、安全で安心して使えるナノマシンが実用化されるように期待したいですね。
コメント
コメント一覧 (2件)
”極小のロボットという意味ではない”
???
その理由はなんでしょう?
ロボットじゃないからだよ。