さて、前回は幽霊物件での心霊体験のお話をお伝えしましたが、
今回の話は随分昔のことにを書いていきます。

 

免許を取り立てで、ある日男2人、女2人でダブルドライブに行くことになった。

日も暮れかかっており、初心者としてはあまり遠出も出来ず、
車で約40分の山村
近くにある心霊スポットの橋に向かうことになった。

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photo credit: Au volant / At the wheel via photopin (license)
結果、夜も更けて道が判らなくなった我々はもう一つの別の霊スポットである、村の神社
へと向かった。

 

そこは畦道で車がやっと一台通れる程度のもので、
霊よりもこちらの
方が怖いと思ったほどだ。

 

神社が遠くに見えて来たので、ここで下車するか、
いちかばちかで、この道を神社
の方へ向けて曲がってみるか、停車して相談し始めた。

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photo credit: Yuki Shrine – garden via photopin (license)

相談していると誰かが「あ」
と声を上げた。

その子が見ている方向を見ると、この近辺熊出没注意と書いてある。

いるかいないか判らない存在よりも、より確実に出会う確立の高い生物出現看板に
4人で戦慄し、すぐに戻ることに決定した。

 

方向転換が出来ないかと、見渡したが開けた場所は見当たらない。
仕方がないので、
注意しながらバックで戻ることにした。

 

 

そして、ふと何かが視界を過った。

何かが光っている。
しかも、ハッキリした光ではなく、ぼんやりした光。

 

それは、神社下の少し離れたところにあるプレハブ小屋の窓にいた。
どう見ても、人の形、人の大きさである。
しかし、それは緑の蛍光塗料の様に光って
いる。

 

工事用のプレハブにも見えたので、
もしかすると窓に蛍光塗料を塗ってあるだ
けなんじゃないのかとも思ったが、
それが違うことは一目瞭然だった。

なぜなら、それはハッキリ
動いていたからだ。

 

また、蛍光塗料は、何らかの光の干渉を受けていなければ発光し
ない。

それまでは真っ暗だったし、こちらの車の光も方向的当たっていることはあり得
ない。

 

4人で恐怖を感じ、すぐさま危険を承知で猛スピードでバックをして逃げた。
帰りは来た道と同じく、深い山道だ。

 

だが、途中途中に民家もあるし、街灯だってない
訳ではない。
しかも、車1台分の細さだが、ひたすら一本道で楽な帰路のはずだった。

 

先ほどの恐怖も既に過去のもの。
今や、安堵感で笑顔さえ出るほどの余裕があった。

しかし・・・。
次第に皆の顔から笑顔がなくなり、無口になっていく。

 

「なあ、ここってさっき通ったんじゃ?」と訊かれる。
しかし、一本道の為間違えようが
無いはずだ。

「一本道だし、間違えることはないと思う」と答えた。

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photo credit: Flucht! via photopin (license)

しばらくすると、今度は頭痛がしてきた。
尋常じゃない痛みだ。

 

冷や汗が出てくる。

 

すると今度は腹痛までもが襲ってきた。
しかも、それも普通ではない。

異常に腹が
膨れ上がっているのだ。
完全に膨張しており、その為の痛みのようだ。

 

どちらにしても平常時の時の様な運転は無理だと判断し、一旦車を停めた
すると、皆が堰を切った様に同じ症状を口にする。

 

ここで、改めてやばさ加減を感じた。
帰ることが出来ない、皆が同じ症状で苦しんでいる。

何か一定の意志が働いていなければ有り得ない話だ。

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photo credit: barbies3 via photopin (license)
ここで、意味不明なのだが何故か命をかける程の猛スピードで突っ切って行けば良
いんじゃないかと変な考えを持ってしまった。

 

幸い、その頃車好きが高じて、スポー
 ツ使用の車を保有しており、
狭い山道でもギリギリのスピードで走り抜く自信はあっ
た。

 

とにかく、迷いあると本当に何らか得体の知れないものに取り込まれてしまうのでは
ないかと感じた為、提案してみた。

皆も現在の苦しみから逃れたい一心で、これから
の恐怖なんて考えられずに二つ返事でOKした。

 

大きく深呼吸してからアクセルを全開で踏み込んだ。
それから車内は阿鼻叫喚の嵐だったが、不思議と誰も停めろとは言わない。

 

 

それほどの苦しみと恐怖が先ほどの出来事で感じられたし、
それから逃げる為に
爪の先ほどの希望に縋った為だ。

 

皆は顔面蒼白になり、冷や汗を大量にかき、それでも耐えた。

 

自分自身はと言うと、確実に流れる景色に変化が起こっていることに気付いた。
不思議と来た時に見た民家は何故か全く見ない。

 

しかし、そんなことはそれほど気に留めず、
確実な変化を無駄に止めることなく、
一心不乱に走り続けた。

 

 

やがて、胃の膨張が萎む。

ふと見ると、街の夜景が見えてきた。

 

この時、皆の異常が解けた。
頭痛も胃の膨張感による痛みもなくなった。

 

その後は何事もなく、街まで辿り着くことが出来た。
夜も遅かったので、一人一人家まで送っていったが、誰一人口を開くものはいなかった。

話すとまた取りこまれるのではとの恐怖を感じたからだと思う。

 

それから、とくべつ霊障などの影響などは一切ない。皆同じだ。

暫くしてまた4人で集まる機会にあの時の事を話すことが出来た。
実は、身体が苦痛から解放された時、後部座席の女の子が怖る怖る後ろを見ると、
あの蛍光塗料らしき光が戻り去って行くのを見たと言う。

 

もちろん、恐怖のあまりの見間違いかも知れないし、以前の筆者なら一笑に伏していただろう。

だが、あの体験をした後では笑うに笑えない話であった。
幽霊の話がお好きなら、こちらの動画をご覧下さい。
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