前回はアニメ鋼の錬金術師のモデルとなった人物
その名もヴォン・ホーエンハイムをご紹介しましたが、
今回もまた、鋼の錬金術師関連のある人物のモデルとなった人物をご紹介したいと思います。

 

その人物の名はエリファス・レヴィ

誰のモデルになったのかを当ててみて下さい。

 

エリファス・レヴィは15歳から秀才と言われ、
神学校に通っていました。

 

25歳の若さで助祭に選ばれると、
伝道師となりました。

つまり協会を宣伝してまわる、いわば協会の顔という役割です。

 

ここからさらに書き進めるとアニメのキャラクターのイメージと離れていってしまうので、そろそろ誰のモデルかをお教えします。

誰か分かりましたか?

彼の名はエリファス・レヴィ、本名をアルフォンス・ルイ・コンスタン
名前を聞けば分かりますね?

 

そうです。

鋼の錬金術師の主人公、エドワード・エルリックの弟で、
一緒に旅を重ねたアルフォンス・エルリックです。

もちろんエリファス・レヴィは鎧ではありませんでしたが・・。

話を彼の経歴に戻しましょう。

 

エリファス・レヴィは伝道師として精を出していましたが、選ばれた翌年に一人の女性に恋をし、それによって神学校を退学しました。
15834255825_e5fac740ea
photo credit: Canola Dip via photopin (license)

 

それまでの地位や名誉をすべて捨てたと言って良いでしょう。

神学校を止めたという事は、
日本で言えば出家したお坊さんが普通の人に戻るという事です。

 

しかも当時はまだ協会の権力もあった頃です。

 

一人の女性のためにすべてを捨てるとは・・
ロマンチックな男なのですね。

それが原因で母親は自殺までしてしまいました。

 

俗世の人間になると元々秀才だった事もあり社会主義について学び始めます。

平等についてもっと深く学びたいと思ったのでしょう。
自らの思想を著したりもしています。

 

しかし2作目の著書【自由の聖書】で聖書の独自の解釈を唱え、
(平等とは、民権とは、と唱える社会主義に傾倒した彼の事ですから、
その解釈がどのような物かは想像に難しくありませんね。)

その解釈によて「神を冒涜(ぼうとく)した。」として牢屋に入れられてしまいました。

 

しかしこの事が彼に幸いします。

なんとその獄中で彼の人生を変えるような隠密学者の著作と出逢う事になるからです。

オカルティズムとの出逢い

出所後、社会主義思想からは遠ざかりますが、
代わりに隠密学に傾倒するようになります。

 

オカルティズムの雑誌【進歩的評論】を創刊したりもしました。
つまりオカルティズムを世界に広めようとしたのです。

彼のオカルティズム運動は進んでいき、薔薇十字協会にも加入ロンドンでは降霊魔術実験を行い、大魔術師アポロニウスの霊を呼び出したと言われています。

 

フランス帰国後は母国で薔薇十字協会を創設しています。
141158506_1051bdb622_n
photo credit: Rose via photopin (license)

エリファス・レヴィの唱える魔術とは?

彼は魔術とは科学であると唱えています。
それも、理性い基づく合理的な科学だと。

ヨーロッパには様々な魔術、例えばタロット、儀式魔術、古代の密儀などがありましたが、それら伝統的な物を魔術の名の下にまとめようとしました。

 

彼の成果は
【高等魔術の教理と儀式】や【秘教哲学全集】にまとめられ、
後のオカルティズム(黄金の夜明け団や神智学協会)の礎となりました。

エリファス・レヴィのまとめ

今回は本名にアルフォンスの名を持つ近代魔術の先駆けとなった
エリファス・レヴィをご紹介しました。

 

彼の事を知ると、魔術やオカルティズムと言われる物は
決して邪道ではないと思えます。

むしろ既得権益を所有しあぐらをかいていた者達への反発から真の平等とは何か?という問いが減点になっているのですから正道と言えるのではないでしょうか?

 

今回はこの辺りで筆を置きたいと思います。