絶滅したはずのニホンカワウソが、長崎県で見つかったというニュースを聞いて、ちょっとした興奮を覚えたのは僕だけでしょうか。

かつて日本各地で見られたニホンカワウソですが、1979年に高知県須崎市の目撃情報が最後です。
長い間姿を消していたニホンカワウソは、2012年絶滅種に指定されました。

なんとそんなニホンカワウソが最近目撃されたというじゃないですか!

そもそも何故、ニホンカワウソがいなくなったのか……理由を知りたくなりました。

ニホンカワウソ絶滅原因

いくつもの原因があるようですが、主なものを挙げてみます。

防寒用の毛皮としてニホンカワウソが人気だった

カワウソの毛皮は動物界一ともいわれるほど保温性にすぐれています

二重構造の厚い毛皮は、ヨーロッパの富裕層、日本では軍事用としても需要が高かったのです。

そのため、ニホンカワウソは次々と乱獲され減少しました。

狩猟が日本人の間で趣味になった時期がある

ニホンカワウソは主に川岸で生活します。
森の奥深くまで探さなくても比較的簡単に見つけられて捕獲されてしまいました。

毛皮を得るために狩られた生き物はニホンカワウソだけではありませんが、狩りやすさでも目をつけられてしまったのです。

環境問題

ダム建設や河川の汚れによって魚やエビなどのえさが減り、大食漢のニホンカワウソは十分なえさを確保できず、減少の一途をたどりました。

僕たちは自然を大切に――と言いつつも、自分たちの生活が不便になるのも困る……自分も含めてですが、人間って本当に自己中心的なものです。

現在は水質汚染の問題も当時よりは改善され、ニホンカワウソが住めるくらいに環境が戻ったところもありますが、それも後の祭りにしか思えません。

さまざまな要因が重なり減少していったニホンカワウソは、1928年(昭和3年)に絶滅危惧種に指定され捕獲禁止となりました。

その後、日本の特別天然記念物に指定されたのは1965年の事です。

ニホンカワウソの価値をわかっていながらもっと早くに何か種を増やす手立てなどはなかったのか、少し考えされられる所があります。

 

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対馬で発見されたニホンカワウソ

日本の在来種の可能性は?

そんな絶滅したと思われていたニホンカワウソが見つかったと話題になったのは2017年8月。

最後の目撃例は1979年の高知県須崎市でしたが、今回野生の個体が見つかったのは長崎県対馬です。

別の生き物を撮影するために設置していた固定カメラにニホンカワウソらしきものがうつっていたというのです。

実に38年ぶりの目撃情報に興奮した人々がたくさんいたことでしょう。
それまで二ホンカワウソに関心の薄かった自分でさえ、このニュースに驚きました。

今回撮影された地域は、海を渡ればそこは韓国ということで、ニホンカワウソではなくて向こうに生息するユーラシアカワウソが流れ着いたのでは?とも予想できます。

しかし専門家は、泳いで対馬海峡を渡ってきたとは考えていません。

撮影されたのと同じ個体かはわかりませんが、撮影現場近くで以前採られた糞のDNAを調べた際はユーラシアカワウソの糞でした。
……うーん、これはちょっと残念な情報ですね。

ともかく、今回の『絶滅したニホンカワウソが発見された!』というニュースは、その可能性があるだけで撮影された個体を調べたわけではないのではっきりとわからないのです。

でも、そもそもニホンカワウソは日本の在来種なのでしょうか?

これまでは、ユーラシアカワウソの亜種(簡単に言えば同一系統)と考えられていました。

しかし近年、東京農業大学の研究により、ニホンカワウソはユーラシアカワウソとは別の遺伝的に異なる進化をしてきたことがわかりました。

この研究で用いられた高知のニホンカワウソは約130年前に、大陸から来た古い系統らしく、そこから独自に進化して日本の固有種となったとの見解です。

日本にしかいない生き物だと思うといままで以上に愛着が出てくるのが不思議です。

ニホンカワウソ目撃情報

実は目撃情報はこれ以前にもありました。
2012年に絶滅種とされた後、愛媛県でも目撃情報があったのです。

住民から情報がいくつか寄せられていたものの決定打はなかったようです。

最近でいうと、同じ長崎県の五島列島でもニホンカワウソを見かけたという情報が出ています。

どの場所も、きっと昔と変わらない自然環境が残っている場所なのでしょう。

真相は別としても興味深い話には変わりません。
川辺で遊んでいるニホンカワウソが見られる日がくるかもしれませんし、ぜひこの先も調査を続けてくれることを期待したいですね。

復活した絶滅動物一覧

バーバリライオン

名前がまずかっこいいです。

体長3~4mもある巨大ライオン。
一般的なライオンは2.5mくらいです……この大きさはまさに百獣の王の名にふさわしいです。

モロッコの1922年を最後に絶滅したと思われていたけど、2007年に1頭見つかりました。

現在は50頭ほどいるそうです。大きなライオンの群れ、見たいものです。

ピグミーメガネザル

2008年、87年ぶりにインドネシアで3匹生存が確認された夜行性のメガネザルです。

隠れるための森林が伐採されるなど捕食者の鳥などに見つけられやすくなり、その結果個体数が減っていきました。

他のより頭が大きくて耳が小さいのが特徴です。
目も大きくてちょっぴり可愛いかもしれません。

アメリカシジロキツツキ

1945年の目撃情報が最後でしたが、2005年再び数件の情報と数秒間の映像がありました。
ただそれだけでは、専門の方から疑問視されていますが……。

ニホンカワウソの目撃情報にしてもそうですが、地元の方々にとって絶滅した種の復活は嬉しいニュースですから、似た生き物がいたならそれだと願う気持ちもあることでしょう。

オウカンミカドヤモリ

1945年に再発見された絶滅種。
名前が高貴な雰囲気です。

外見も愛らしくおとなしい性格とあって、現在はペットとして人気です。

日本でも入手可能で、女性の愛好家も多いとか。
バナナなどのフルーツが好きなんて聞くと、ヤモリのイメージも少しかわります。

 

他にも調べていると興味深い生き物が次々と出てきます。

暇なときに検索してみてはどうでしょうか。

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まとめ

これまでに、絶滅したとして見ることができなくなった生物は僕の予想をはるかに超えて世界中に数多くいました。

絶滅種の定義とは、『過去約50年、信頼できる生息情報が得られていない種』です。

結局のところ、今回撮影されたのがニホンカワウソかははっきりしていませんが、今後も調査を続けていって欲しいと思いました。

つぶらな瞳に愛嬌たっぷりのしぐさ、水かきのある短い足に小さな耳もキュートです。
噂では排泄物がいい香りがするとか……。

過去に撮影された映像を見ていると、なんだか癒やされました~。

いつか本物のニホンカワウソにお目にかかれる日が来ることを期待してます。

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